プレス加工の「裏ワザ」って?

RDF発電所も同委員会の調査によると、三重県のほか、福岡県大牟田市の大牟田リサイクル発電鰍ェ運営する「大牟田リサイクル発電所」で二〇〇三年九月も異常発熱と発煙事故が発生して二カ月間、発電がスr・一ツプした。 またへ石川県志賀町にある石川北部アール二アィ・エフ広域処理組合の「石川北部RDFセンター」でも二〇〇三年十月、発電のためにRDFを保管するサイロ貯蔵槽が異常発熱を起こしていた。
二カ所とも、貯蔵槽底部のRDF払出しコンベア付近で、すぶった状態や炭化したRDFが搬出されているのが確認された。 御殿場・小山RDFセンターのトトラブルにしろへ三重県多度町の死亡事故にしろへ背景にあるのは、わが国がハイテクを売り物にしたごみ処理技術ばかに走ってきた状況だ。
特に可燃ごみの処理に関しては、焼却から灰溶融RDF、果てはガス化溶融ともメーカーの開発競争に際限がない。 可燃ごみをいかに処理して、灰などの残さを縮小するかに開発メーカーへそして施設を発注する自治体も血眼になっている。
だが、わが国がごみ処理に導入してきた「可燃ごみ」「不燃ごみ」といったカテゴリーは、早急に脱却しなければならない時期を迎えている。 欧米の先進地で採用している、拡大生産者責任(生産から流通へ消費、廃棄へリサイクル、処分までを生産者が責任を負い費用も負担すること)を付加したうえでの「資源になるもの」「資源にならないもの」といった分別が強求められている。

自治体がごみ処理の根本に「可燃」「不燃」という考えを置いている限一、メーカーの処理方式開発の過度な競争に手を貸すだけで、環境は少しも改善されないだろう。 「資源になるもの・ならないもの」という発想の転換に立ってこそ、ごみ問題への解決の道筋がつけられるのではないだろうか。
本書では計画当初からこの間題を取材した立場を通して、この公共事業の「負の遺産」を論証したいと思う。 公共事業の落とし穴と言える可燃ごみの固形燃料化施設センターを検証することで、ごみ処理を含めた将来の環境問題も見えるような気がする。
さらに、リサイクルの美名の陰で行なわれている凄まじいエネルギー浪費に言及して、ごみ問題の本質の一端を明らかにしたい。 御殿場市小山町広域行政組合で可燃ごみを固形燃料のRDFとしてサーマルリサイクルに転用するという計画は、一九九一年(平成三年)三月に、スイスのK社で開発された技術としてマスコミを通して紹介されたのがきっかけとなり、スタートした。
これは生ごみや紙類、プラスチック類、衣類へゴム類などの可燃ごみを細か砕いて石灰を添加へ乾燥させて圧力をかけて直径約二センチ、長さ四、五センチのペレット状に固めるというもの。 こうしてできあがったRDFは、▽保存性が高い▽運搬がしやすい▽ごみと比べて安定した燃焼が得やすい▽添加した石灰が塩化水素やダイオキシンを抑制するので排ガス対策が容易であるといった利点が指摘されていた。
それまでの組合では、老朽化した燃焼方式の清掃センターを廃止して、従来と同じ方式による新たな処理施設を建設する計画が一九八九年(平成元年)から進められへこの時点では、ほぼこれで固まっていた。 しかし、RDFの情報をキャッチしたへ新し物好きの御殿場市の企画調整部の幹部である芹揮孝治参事が、これまでの計画の流れに横車を入れた。
そしてへ御殿場市のごみ処理施設を担当していた市民生活部へさらに小山町、あるいは広域行政組合当局に内緒で、独自調査を行ない、メーカーである1Kグループ・共同企業体と接触へ情報収集に走った。 1Kグループ・共同企業体は、スイスのK社の特許を取得したカトトレルグループ幹事社のM商事、RDFシステムを施工するト重工業とE製作所へ建屋の建設を担当するFから構成されていた。
また、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の改正で、国の方針がリサイクル社会の構築、資源循環型社会の推進へと変更されたことも幸いして、芹津参事はRDFは次世代型のごみ処理として最も有望であるとの認識を深めていった。 背景には、情報収集に協力したメーカーの強い働きかけもあった。
これを受けて参事は、処理方式の変更計画を当時の御殿場市長と助役に進言一広域行政組合議会(議長・O武御殿場市議)の数人の議員にもそれとなく打診した。 組合議会の議員(御殿場市議会から七人、小山町議会から五人)は一九八九年から当局と一緒になり、ごみ処理施設建設検討委員会(委員長・O武)を組織して、焼却を念頭に新施設について協議していた関係から、未知数のRDFには極めて慎重な対応をとっていた。
国内での稼働実績があまりにも少なり、またへ稼働している施設と比較して、御殿場・小山の場合は一〇倍の処理能力で国内最大規模となる点、生産したRDFの消費先、施設完成後の維持・管理費(ランニングコスト)が不透明、といった不安が吹き出してRDFをすんなりと容認する雰囲気ではなかった。 現に数回にわたる議員とKグループ側のやとでは、システムの安全性、安定性RDFの消費先に質問が集中した。
こうした疑問に対してメーカー側は、説明会の席上、「環境分野におきましては、非常に豊富な経験と実績を持っております。 一応専門の企業でありますし、また、社会的へ常識的には一流企業と自負しておる会社でございます」と自信たっぷに応対した。

さらに、RDFの引き取先についても、「われわれは責任を持って引き取り先の確保を引き受ける所存でございます」と保証した。 加えて、RDFのユーザー開拓についても、「一つがダメなら二つへ二つがダメなら三つというように進んでいきます」と、メーカーに全幅の信頼を寄せてほしいと説得した。
それでも、数人の議員はなおも慎重論を持ち出しへ消費先までのRDF運搬費は生産者側へ消費者側へどちらが負担するのかといった根本的な問題まで含めて、メーカーの真意を問いただした。 だが、メーカー側は金銭的な負担の面では、巧みに回答をはぐらかしかつ、「全力を尽して立派なプランを建設したい」の一点張を貫き、じわりじわりと実に根気よ一、議員たちを自分たちのペースに誘導していった。
ただ、ごみ処理施設の更新計画の当初から、議員が行政側と一緒に建設検討委員会に参画して、機種決定に大きな権限を持つことになった状況はのちに後悔の火種となった。 この時になって、議員は立場の悪さに気づかされた。
重大な問題が生じても、行政と一緒の資格を持って意思決定したという事実は、大きな足かせとなり、組合議会のチェック機能を大幅に後退させる結果を招いてしまったのだ。 焼却炉の更新という段階では、過去三〇年の実績のある処理方式で特別な問題はなかったことから、組合当局の「共に検討して、最善の施設にしたい」という提案を議員も率直に受け入れた。
この、それぞれの役割分担を超えた共同作業は、従前にあった垣根を取払いへ胸襟を開いて公共施設を建設するという、これまでにないスタイルの採用であり、地方自治に携わる議員の誇りでもあり、大いに歓迎された。 そんなことから、出発当初は、肝胆相照らす仲へ和気あいあいの雰囲気でお互いの意見をストレートにぶつけ合う場として、機能していた。

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